美仏と御朱印(1)伝運慶工房作 不動明王立像(長野県・仏法紹隆寺)

イスムさんからいよいよ明日発売開始となる、伝運慶工房作の不動明王立像

私もワクワクと胸を躍らせて、仏さまがいらっしゃるのを待ちわびているところです。

ただ私、白状しますと実はこちらの仏さま、静岡は願成就院におわす運慶作の不動明王様だと最初は早とちりしていたのです(こちらの不動明王様も、運慶らしい力強さの横溢した素晴らしい仏さまです)。

仮にも家にお迎えする以上、実際の仏さまを拝みもしないでお迎えするのはいかがなものかと思った私、運良く所用があったついでに、長野県は諏訪市、諏訪湖のほとりにある由緒正しき古寺である仏法紹隆寺に、仏さまにご挨拶に行ってきました。

予約していたよりかなり早めの時間に到着してしまったのですが、ご住職(だと思います)は快く応対してくださいました。

そして案内していただいたのが、まずこちらの「普賢堂」。

ご本尊は普賢菩薩(諏訪大明神本地仏)。諏訪大社上社と一直線に向かい合うように建立されているそうです

こちらにおわす仏さまは撮影可ということでしたので、欣喜雀躍しながら仏さまを撮らせてもらいました。

ご本尊の普賢菩薩様(諏訪大明神本地仏)です。けっこう大きいお姿です。

とても綺麗なお顔をされていて、近寄りがたい高貴さを醸し出していました。まさに美仏! うっとりしてしまいます。

大日如来様。智拳印を結ばれていらっしゃいます。こちらも素敵な仏さまでした。

堂内には他に、十一面観音様、毘沙門天様などもいらっしゃいました。

そして!

お庭などを見せていただいた後、いよいよ移動し、「宝物殿」へ!

ついに念願の伝運慶工房作不動明王像にお目にかかることができました。

残念ながら宝物殿内はいっさい撮影禁止でしたので写真をお目にかけることはできませんが、展示された貴重な文化財の数々(寺内には6000点余の文化財があるそうです)の中に、不動明王様も威厳に満ちたお姿で厨子の中から怖いお顔を見せていらっしゃいます。大興奮です。

像高は意外に小さかったです(42センチとか)。

でもその小さなお体から発散される「氣」は、まさに運慶工房ならではの迫力。

鎌倉期の仏像ならではのリアルな造形で、私はついため息を零してその威容に見入りました。

ご住職から伺った話では、現在専門家による鑑定が粛々と進んでいる途中で、現時点では運慶、快慶、湛慶(運慶の子供ですね)のいずれかによるものではないかというところまで、絞り込みが進んでいるそうです。

運慶作ということがわかれば国宝、快慶なら重要文化財になるのではないかとのこと。

私は快慶もとても好きなのですが、しかしこの造形は、なんだかとっても運慶臭さがプンプン匂う気がしました(素人の勘に過ぎませんが)。

なんといいますか、とっても荒々しい感じが横溢していて、いかにも運慶っぽいのです。

現在、運慶作と正式に認められている仏さまはわずかに30数点。

こちらの仏さまが運慶作と決まれば、まあ、大騒ぎでしょうね。

でも、運慶作であろうとなかろうと、とても素敵な、魅力溢れる鎌倉仏であることは、直接お目にかかってよく分かりました。

小さいのに、尋常ではないド迫力。

ご住職によると、「小さい仏さまは写真を撮って引き伸ばすと迫力が弱まることもあるが、この仏さまは写真を拡大してもまったく迫力が薄れないのです」とのことでしたが、ほんとにそれ、よく分かります。

とても恐ろしい、いいお顔をされていて、私は正直、離れがたかったです。

ずっとずっと、見ていたかったです。

またおひとかた、私にとって特別な仏様と出会うことができたと、しみじみと思ったものでした。

空の青さとアルプスの山並み、雪の白さのコントラストが素晴らしかったです

帰りは、長野自動車道から見えるアルプスの山々が、本当に綺麗でした。

信州の仏さまは、まだまだお目にかかっていない仏さま、いっぱいいらっしゃいます。

また近いうちに必ずお目にかかりに来るぞと思ったり、いよいよ我が家にいらっしゃるイスム版「仏法招隆寺の不動明王立像」に改めて思いを馳せたりしながら、ワクワクと家路を辿ったこの日の結城でした。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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