『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』鑑賞記③

もうすぐ四十路を迎える“綺麗なお姉さん”ユン・ジナ(ソン・イェジン)と、幼なじみ的な仲である年下の可愛い青年ソ・ジュニ(チョン・ヘイン)の禁断の(?)恋の行方を描く『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』

完走しました。

すでにアップ済みのブログ記事でも言及している通り、私はAmazon Prime でこの動画をシーズンごとレンタルし、仕事の合間に夢中になって、それこそ貪るように二人の恋を追いかけたのですが、

その結果、いやー、なんと言うのでしょう……ひと言で言うなら――(※以後、ドラマの内容に触れます。ネタバレです。ご注意ください

ジュニ、可哀想すぎ(涙)

に尽きるでしょうか。

いえ、それはたしかに、最後はハッピーエンドなんです。一度は別れた二人が「やはり自分にはあの人しかいない」と思い、再び心を通わせ合うラストが、朝の済州島、ロマンティックな海辺の光景とともに、印象的な形で私たち視聴者に提示されます。

そういう意味では、いやあ、よかった。めでたしめでたし、なのかも知れません。たしかに。

ですが私は、そう手放しでは二人を祝福できない、何とも重苦しいものを感じながら、物語の幕引きを見ていました。

とにかく二人の交際に反対するユン・ジナの母親ミヨンさんが、悪魔のようなかたくなさで二人を苦しめ続けたからです。

まー、この母親、「親は子供の幸せだけを願っている」などと言いながら、正座をし、真摯に対話を乞うジュニを一方的にぶん殴ったり、ジュニたち姉弟の境遇を「育ちが悪い。うちとは釣り合いが取れない」(二人には両親がいません。父親は生きているのですがすでに別の家庭を持ち、しかも国外で暮らしています)とあしざまに罵ったり、わめくは暴れるは、暴言はすごいは反省はしないは、とにかくすさまじい毒親ぶりだったのです。

そんな母親の残酷なまでの横暴さに耐えきれず、結局一度、二人は結果的に別れることとなりました。(ここら辺のユン・ジナ=ソ・イェジンの心の動きと取る行動も、私が男であるせいか、今ひとつ心から共感できないものがありました)

そしてそれから数年後。
もうユン・ジナは40歳になろうという歳なのに、親を満足させ、自身もまた幸せを感じられるようなハイスペックな男性とは出会えないまま(恋人はできたのですが、仕事にしか興味がないような冷たい男性で、ジナは自らその男性との恋に終止符を打ちます)空しい時間を過ごします。

そしてついには仕事も辞め、友人を頼って済州島に越そうとする娘のジナに、この母親、ようやくいくらか態度を軟化させ、ちょっと自分も悪いことをした的なことを言いはするのですが、私、はっきり言ってドラマとはいえ、このオバサン、ことここに至るまで相当気分が悪かったので(女優さんに罪はありません。あくまでも役の話です)、物語的にはその後、主人公二人の恋が成就しても、何ともモヤモヤとした、「だけどこの二人、これからほんとに幸せになれるのかな…」というような思いは、色濃く残ってしまったのでした。

それはともかく、なんといってもこのドラマの白眉は、一途で可愛い年下の青年を演じたチョン・ヘインのイノセントで硬質な魅力に尽きるでしょうね。

男の私が見ても「可愛いね~」とつい微笑ましくなるそのキャラ(とくに物語の前半)は、女性が見たらけっこうたまらないのではないでしょうか。

そんな彼が、何も悪いことをしていないのに毒親おばさんにボロボロにされる姿がとにかく哀れで、個人的な感想ですが、視聴後の気分は、とてもほろ苦かったです。

でも、それはそれとして、やっぱり面白い韓国ドラマ。

この独特の中毒性は、韓国ドラマならではではないかと思い、この後の二人の幸せを祈りつつ、全24話(Amazon Prime でのレンタルは、全24話構成)を見終えて、私はこの世に帰還しました。

オススメか、そうではないかと言われたら、間違いなくオススメ。ヨーロッパ映画か何かを見ているような美しい画面作りも、とても素晴らしかったです。

さーて、次は何を見ましょうか(笑)。

個人的に、チョン・ヘインが気になっていることは間違いないのですよね。

ひょっとしたら、俳優ヘインではなく、役柄のソ・ジュニなのかも知れませんが。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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