イ・ジョンソクの最新進化形!『ロマンスは別冊付録』鑑賞記②

※アイキャッチ画像は韓国エンターテイメントポータルサイト「KOARI」のものです。

※以下の記事、ネタバレを含みます。未視聴のかたはご注意ください。

37歳のバツイチ子持ちヒロイン=イ・ナヨンと、小さな頃から彼女を慕い続ける32歳の小説家(兼出版社編集長兼大学教授)=イ・ジョンソクの恋の行方を描くロマンティック・コメディ『ロマンスは別冊付録』(制作は韓国のケーブルチャンネルtvN)。

動画配信サービスNetflixを利用してこのドラマを追いかけ始めた私は、その後、第4話から14話まで、仕事のかたわら毎日コツコツと見まくり、ついにラストの2話を残すのみとなりました。

物語は、イ・ナヨンを慕うブック・デザイナー=ウィ・ハジュン(『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』)、イ・ジョンソクを慕う出版社の後輩=チョン・ユジン(『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』という魅力的なサブキャラ二人の、それぞれの想い人に対するせつない物語も随所に織り交ぜながら、じわり、じわりと主役の二人が結ばれていく姿を描きます。

そして、そんなメインの物語と並行し、

●実は夫婦だった(ことが物語の途中で分かる)ベテラン編集者(チョ・ハンチョル)とマーケティング担当女性リーダー(キム・ソニョン)の突然の離婚と、そこから始まる二人の新たな物語(終わりからの新たな再生

●イ・ナヨンと同時期に入社した新人社員、カン・ギドンパク・ギュヨンの始まりそうでちっとも始まらない恋のドラマ(これから生まれるかも知れない恋の物語

●ドラマの悪役的存在でもある、出版社の女性取締役(キム・ユミ)のせつない孤独(終わってしまった恋への未練

など、実に魅力的な脇役たちのさまざまな「恋の姿」が描かれ、どんな人にも「表の顔」と同時に、その裏にはせつなかったり時には滑稽だったりする「恋の顔」があることが、さまざまなエピソードとともに明らかになっていきます。

この物語は、ドラマを流れるゆったり、まったりとした心地よいリズムに身を任せながら、登場する魅力的なキャラたちと一緒に、人を恋することのせつなさと至福をたっぷりと味わいつつ鑑賞するのが正しいスタイルかも知れません。

もちろん、このドラマは主役のイ・ジョンソクの「王子様」ぶりをたっぷりと楽しむコンテンツでもあります。

私の歳ではかなりこっ恥ずかしいイチャイチャシーンもたっぷりと盛り込まれており、ソン・イェジン主演『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』と同様、鼻の下をとろけたチーズのように伸ばして見ざるを得ないこと間違いなしの、極上の世界観が創り上げられています。イ・ジョンソクがかけてくれる素敵な魔法に騙されて、うっとりと酔えばいいドラマです。

個人的にとても好きだったのは、第9話の最終盤。

夏目漱石のエピソードに託して、ジョンソクが積年の想いをイ・ナヨンに告白する雪の中のシーン。

「もしかして……私が好きなの?」

と驚くイ・ナヨンを覚悟を決めたように見て、微笑むようにも困ったようにも見える顔をするジョンソクの、その何とも言えない表情がとても良かったのです!

ところが第10話になるとその素敵な表情はなかったことにされていて(笑。ご覧になれば意味が分かります。私は少なからず憤慨しましたが、まあ、次回への期待感を盛り上げざるを得ない連続ドラマだからしかたないのかも知れません)、私はけっこうがっくり来ました。私としては、それぐらい好きな表情でした(※個人の感想です。笑)

また、第10話で、イ・ナヨンから「いつから私が好きだったの?」と聞かれたジョンソクが、

「春から夏、夏から秋、秋から冬……ヌナ(ナヨンのこと)には分かる? 冬から春になる正確な瞬間が。いつから好きになったかなんて分からないよ」

と照れ臭そうに、でも毅然として話すシーンもとても印象深かったですね(素敵な男性にこんな風に告白されたら、女性のかた、たまらないでしょうね~)。

やけくそになったあまり、食べてはいけないキュウリを食べてアレルギーを発症し、顔中赤いブツブツだらけになったりするチョン・ユジン(編集者として担当するウィ・ハジュンのスマホの「連絡先」には「赤いブツブツ」と登録される始末です)も回を追うごとに存在感と魅力が増してとても素敵ですし……

個人的には、どうにも使えないダメダメ新人社員を演じる新星(といってもいんですかね??)パク・ギュヨンのチャーミングさ(黙って大人しくしていれば可愛い女性なのに、顔芸とかけっこうインパクトが強くて、私は最初、韓国の芸人さんかと思いました)にも好印象を抱いています。

そんなわけで、私の場合、ドラマははや終盤。残り2話を残すのみとなりました。

経歴詐称(名門大学卒なのに高卒と詐称)が発覚して、イ・ナヨンが会社を辞めされられたり、ドラマの最初から謎の存在として描かれてきた高名な小説家とイ・ジョンソク、ウィ・ハジュンの本当の関係がこれから明らかになっていきそうだったりと、残り2話にもいやでも期待が高まります!

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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