チョン・ヘインが一児の父に!『ある春の夜に』鑑賞記②

※以下、ドラマのネタバレを含みます。未見のかたはご注意ください。

動画配信サービスのNetflixを利用し、夢中になって見始めたチョン・ヘイン、ハン・ジミン主演のラブストーリー――

『ある春の夜に』

全16話、完走しました。

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』と同じ監督&脚本家、登場するキャストも主演のヘイン始め、同作の出演陣が多数集結していて、ファンとしてはとても嬉しい限りの作品でしたが、見終わって感じた最初の感想は、

「うーん、重苦しかった!」

というものでした(決してけなしているわけではありません)。

チョン・ヘインに感じる魅力は人によってさまざまだと思いますが、男の私が感じるのは、何と言っても、あのあどけない、少年のようにも思えるイノセントなビジュアルと、とてもキュートな、というか、愛らしい笑顔だと思います。

ですが今回のドラマは、役が役だけに(幼い子供を抱えたシングルファーザーで、バツイチでも何でもない美人ヒロイン=ハン・ジミンとの恋愛の成就にはただでさえ高いハードルがあるのに、彼女の恋人ギソクさんのしつこい横やりが入ったりして、常にストレスに苛まれる展開です)、チョン・ヘイン、笑いません(笑)。

ドラマも終始何やら陰鬱っぽい展開で、映像のトーンは前作『よくおごってくれる~』ととてもよく似ているのですが、前作に濃厚に感じられたロマンティックなムードはイマイチ弱かったように、個人的には感じました(前作も途中からはとても陰鬱なムードになるのですが、今回はわりとしょっぱなからそんな印象だった、という感じでしょうか)。

それにしても今回のドラマ、男たちは総じて情けない俗物ばかりでしたね(笑)。

ヒロインのジョンイン(ハン・ジミン)をジホ(チョン・ヘイン)に奪われることになる御曹司のギソクさん(キム・ジュンハン)も、ジョンインが何度も何度も「もう愛は感じない」「私たちは終わり」と言って離れていこうとしているのに、「戻ってこい」だの「お前は(ジホに)同情しているだけだ」だの「全部水に流してやる」だの「いつ結婚する?」だの、まーしつこいしつこい。

あのへこたれなさ、雑草魂、とんちんかん野郎ぶりは、ターミネーター第一作のシュワちゃんを思い出させる粘着性でした。もうあそこまで行くと、人間というよりサイボーグです。結婚サイボーグ。

それに加えて、俗物の権化のような、怒鳴るだけのうざったい親父だったジョンインのアボジ(ソン・スンファン)、ジョンインの姉の夫でDV野郎のシフン歯科院長(イ・ムセン。そういえばこの人も『よくおごってくれる~』に出演していましたね!)、最初から最後まで、「お前はいったいなにがやりたいんだ?」と私にはその人となりがよく分からなかったギソクさんのアボジ(キム・チャンワン)など、見るだけで反吐が出るようないや~な面々のオンパレード。

ドラマの終盤では、それぞれの想い人の心を何とか再び自分に向けたいギソクさんとシフン歯科院長がつるんでなにかとんでもないことをやらかすのではないかと期待、あ、いや、想像していたのですが、結局そんな展開にもならなかったですし、ジョンインのアボジは終始イライラと怒鳴っているだけで最後まで家族たちの蚊帳の外でしたし、とにかくグダグダ感が強く「なんだかなぁ……」とこちらまでため息をつきたくなる呆れた、ポンコツとしか言いようのない男性陣でした。

「いや、実際の人間社会なんてこんなもんでしょ……?」的な感じだったのかも知れませんね、監督と脚本家は。

でもやはり、チョン・ヘインのキュートな笑顔のファンとしては、もっともっと幸せそうな彼の笑顔を見たかったですし、基本的につらく重苦しい展開だったからこそ、もっともっと、ラブラブイチャイチャで見ているこちらがこっ恥ずかしくなるようなヘインとジミンの幸せそうなエピソードを見たかったという気もします(個人の感想です)。

まあドラマのラストシーンは、それまでの鬱憤を晴らすかのような、それはそれはしつこい、主演二人のイチャイチャぶりでしたが(笑)。

それはともかく、いやー、ミヨンさん(『よくおごってくれる~』の毒親ミヨンさんです。笑)、今回はガラッとキャラを一変させ、娘たちの幸せを願う、とても優しいオモニでした。

私、いつしかミヨンさん=女優キル・ヘヨンさんの大ファンになっていた自分に気づいたのですが、今回のヘヨンさんはとてもエレガントで素敵な母親をしっとりと演じていて、すごくよかったです。

俳優なのですから当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、チョン・ヘイン(前作の役名ジュニ)の頭を引っぱたいたり、興奮しすぎて手を骨折したりしたすさまじい毒親ミヨンさんの印象が強烈だったので、よけいにそう思ったのかも知れません。

あと、チョン・ヘインの息子役のハ・イアン君もとっても可愛かったですね~。

何だかんだ言いながら、見始めたら引き込まれること間違いなしの、とっても面白いラブストーリー『ある春の夜に』は、Netflixで配信中です。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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