1/fゆらぎの官能 ティンシャ(チベタンベル)に魅せられて

ティンシャ、あるいはチベタンベルと呼ばれるチベット仏教の法具があります。

「は? なにそれ」というかたも、音色を聞けば多くのかたが「ああこれね!」となるでしょう。

ティンシャかガンダーがほしいと熱烈に思うようになったのは、あるパワーストーンのお店で購入した新しい石を、ガンダーを使ってショップスタッフのかたに浄化してもらったときでした。

「いい音しますね~」

思わず聞き惚れ、ついスタッフの女性のかたに言ってしまったほど、そのガンダーは深く澄んでどこまでも広がる、美しい音色で私を虜にしました。

毎朝、神棚にお祈りをするときには手振り鈴を使っていましたが、そんな出来事もあって「そうだ。朝夕のお祈りや占いの鑑定をするときに、場を浄化できるティンシャかガンダーがあるといいな」と思い至り、夜が明ける前に自宅仕事場を出て、群馬県高崎市まで車を飛ばしていってきました。

めざしたのは――

ネパール・ヒマラヤ雑貨店「カラパタール」!

ネットでいろいろと調べたのですが、直接店までお邪魔して音色をたしかめさせてもらいたいと思えたお店は、私にはここしかありませんでした。

あらかじめ前日に電話をし、やっているかどうかをたしかめた上で、予定より少し遅れましたが「カラパタール」に到着。

関東平野が一望できると聞いてはいましたけれど、たしかにみごとな景観でした。

とても美しい。

そして、私は知らずに訪れたのですが、表に「カラパタール」の看板こそ出ているものの、そこはなんとふつうの(と言うかかなりしゃれたお家でしたが)お家

知らない人が見たら「えらく貴重な品を扱っている激レアショップ」とは思えない場所で、私もおずおずと玄関の呼び鈴を鳴らしましたが、迎えいれてくれた店主のHさん(有名なかたのようですので本名でもいいかも知れませんが、一応イニシャルにしておきます)はとても気さくに応じてくれ、私は恐縮しながら靴を脱ぎ、家の中にお邪魔をしました。

家の中の一室が、ショップとして来訪客に公開されているのです。

部屋の様子は公式サイトでも紹介されていますが、私が訪れたときはサイトでの写真とはずいぶんインテリアが変わっていたように感じました。

センス良くアレンジされた、自然光あふれる明るい部屋の中に、Hさんが自らヒマラヤを訪れて買い求めてきたというティンシャやガンダー、シンギングボウル、水晶を始めとしたヒマラヤの貴重な石たち、ローマングラス、仏画、ヒマラヤの雑貨などが並べられています。

開放的な窓からはまだ硬い午前の日差しが燦々と差しこみ、部屋全体にとてもいい「氣」が充ち満ちています。はじめて訪れた場所なのに、緊張感が不思議なほどなくなり、あり得ないぐらいの居心地のよさを感じます。

それにはHさんが苦労してヒマラヤから持ち帰られた商品たちの発する「氣」はもちろん、フレンドリーにいろいろと説明してくださるHさんの人柄も関係していた気が。

お茶までご馳走になりながら(奧さん、ありがとうございました)、実際にティンシャの音色を聞き比べさせてもらったり(自らの手で鳴らせます)、それぞれのティンシャについてのうんちくを聞かせてもらったり、最後の最後にどちらを選ぶか、二つに一つをチョイスする際の選び方について実践指導つきで教えてもらったり、とても楽しい「買い物の時間」を過ごすことができました。

ちなみに「カラパタール」から連れ帰った、結城のティンシャはこちら。

もうね、すばらしい音色ですよ。

試しに鳴らせてもらうと、ティンシャごとに音の高さも音色も微妙に違うのですが、共通しているのは「1/fゆらぎ」と言われる、風や波の音、川のせせらぎ、木の葉の揺れる音など、自然界のさまざまな音に含まれる音と共通の心地よさを感じさせる超音波を、ティンシャも持っているのだとか。

遠い遠い、遙か昔の何かの記憶を刺激するような、絶妙の音色。

音は見る見る広がり、重みと深みと涼やかさを増し、池に落とした石が作りだす波動のように、うねりながらさらに広がって、透明感をいっそう加えながら天空へと吸いこまれていきます。

遠路はるばる(高速道路を使わずに約3時間。途中で休憩、寄り道もしているので、実際にはもう少しかかりました)訪れた甲斐のある、楽しい買い物ができました。(ガネーシュヒマール産だという貴重なトルマリン入りヒマラヤ水晶にもひと目ぼれしてしまい、予定にはありませんでしたがこちらも購入)

ヒマラヤ文化圏の仏教や法具、アクセサリー、雑貨類などに興味をお持ちのかたには超オススメのお店かと。

基本的にはネット通販中心のショップだそうですが、「実物を見てみたい!」という私のような客もやはり一定数おり、中には北海道や九州からわざわざ飛行機で来るお客さんもいるとか。

日本全国のお客さんに支えられていますと、Hさんはやさしい笑顔で話してくれました。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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