私が私塾として開講している「幽木算命塾」では、時間をかけて全60干支の一つ一つを解説している。
自分自身である日干支を、干支位相法を使ってどう見るかという勉強だ。
日干支――
田久保さんなら「甲寅」である。
甲 丁 己
寅 丑 酉
——————–
戊 癸
丙 辛
甲 己 辛
「甲寅」は、言うなれば「春の強靭な大樹」。
わかりやすくビジュアル化すると、こんな感じの日干支だ(「幽木算命塾」のテキストより転載)。

とても力強い。
なにしろ、十二大従星に直せば「天禄星」(11点)である。
エネルギーはとても強い日干支だ。
だが
すべての日干支に言えることだが、日干支単体で「この人はこういう人である」と占断することはできない。
なぜか。
年干支、月干支まで見なければ、本当のところは分からないからだ。
そして、日干支「甲寅(春の強靭な大樹)」の人に何より必要なのは、放っておけばどんどん繁茂してしまう枝葉をすっきりと剪定し、「枝払い」をする作業。
そのままにしておくと、生え繁る枝葉はとんでもないことになり、樹木そのものに悪影響を与えてしまう。
バッサバッサと剪定しなければならない、
そして、剪定するには斧――五行で言うなら「庚(金性陽干)」が必要だ。
ところが、ご覧の通り田久保さんの命式に「庚」はない。
甲 丁 己
寅 丑 酉
——————–
戊 癸
丙 辛
甲 己 辛
つまり、自分を伸びやかに成長させるには欠かせない「斧」がない。
なのでしかたなく、金性陰干の「辛」に頼るしかない。
甲 丁 己
寅 丑 酉
——————–
戊 癸
丙 辛
甲 己 辛
だが「辛」は、「庚」が斧なら宝石、ダイヤモンド、観賞用の刀などにたとえられる、美しくはあるものの斧のような実用性とは一線を画すデリケートな十干だ。
しかたなく頼るしかないけれど、やはり斧とは違う。
使いこなすには知恵がいる。
「庚(斧)」は星に直すと「車騎星」。
「世のため人のために働きなさい」と天から言われているような星で、しかも陽の攻撃本能なので、単独で、力強くガンガンとやっていける。
しかし、田久保さんにはそれがない。
持っている「辛(観賞用の刀)」は「牽牛星」。
集団の中でこそ光る星。
仲間を御してうまく立ち回り、世のため人のために働く使命を果たしていくしかない。
仲間をしっかりと御せるかどうか――田久保さんがいい方向に向かうための、ひとつの大きなポイントである。