マイ仏教美術⑥

出合いのきっかけは、地方新聞の紙面だった。

ある場所で、仏画の展覧会が開催されているという。

その日が最終日だという記事だった。

それまで、仏画になど興味を持ったことはない。

博物館などに仏像を見にいったときに、展示されている古い仏画を見たことはあったが、

彫刻である仏像が、たとえ色が剥離しようと時の腐食に耐えられる「美」を持っているのに対し

(色ももちろん大事だが、立体造形そのもののの力強さと美しさが彫刻の真骨頂である)

描画の流麗さ、截金も含め施される色の美しさが勝負となる仏画の場合、

色が変わって暗い色彩になってしまっていたりすることは、美術作品としてみた場合、どうしてもハンディがある。

(もともと現代にまで残る仏画のほとんどは美術品として創られたわけではなく、あくまでも信仰の対象として創られたもの。「保存」という観点から見ると、どうしても分が悪い。でも、だからこその仏画ではあるのだが)

なのでそれまで、あまり積極的に仏画を見にいきたいと思ったことは、正直なかった。

仏像のように、グイグイとこちらに迫ってくるものが、私にとってはなかった(私にとっては、です)。

ところが、新聞記事で目に留めた仏画展は、歴史的な仏画の展示会ではなく、現代を生きる仏画作家さんが描かれたものだという。

ほう。

興味が湧いた。

それまで、そうしたものを見たことは一度としてなかった。

出不精でめんどくさがりな私にしては異例だった。

その日の予定を変更し、車で一時間ほどかかる展示会の会場まで出かけることにした。

そして。

この日の出合いが、その後の私に大きな影響を与えることになる。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

占術家、算命学ナビゲーター、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
オンラインスクール「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

目次