ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男

花粉症から持病のぜんそくを発症。さらには急性胃腸炎というか、腹風邪みたいな症状まで出て、ほとんどどこにも行けなかったGW。

久しぶりに、本当に久しぶりに、自宅のリビングや床の中で、時間を気にしないで小説を読んだり、動画配信で映画やドラマを見た。

そんな中、「……? なんだこれ……」と思ってなにげなく見始め、気がついたらやめられなくなっているのがアメリカ制作の伝記ドラマ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』

1972年公開の映画『ゴッドファーザー』の製作裏話をドラマ化した全10話のシリーズで、はっきり言って一度でも『ゴッドファーザー』を見た者なら夢中になってのめりこむこと間違いなしの物語だ。

まだ私は3話までしか見ていないが、あの『ゴッドファーザー』が私の知る姿で世に出るまでにはこんなあれこれがあったのかと、(もちろんフィクションもたくさんあるのだろうが)つい興味をそそられる。

『猿の惑星』『ある愛の詩』『ローズマリーの赤ちゃん』『おかしな二人』など、当時のヒット映画(についての話題)が出てきたり、主人公のプロデューサー、アルバート・ラディが『明日に向かって撃て!』撮影中のロバート・レッドフォードを訪ねたりといった形で懐かしい名作の数々がチラチラと登場したりする趣向も楽しいし、フランシス・コッポラやアル・パチーノを演じる俳優さんたちのそっくりぶりにもつい頬がゆるむ。

特に私はコッポラのファンだったり、自身が物書きの端くれだったりするせいもあり、コッポラやマリオ・プーゾ(『ゴッドファーザー』の原作者にして脚本家)が出てくるシーンは、名作の脚本が誕生していく瞬間にいっしょになって立ち会っているようなワクワク感が感じられてとても楽しかったが、やはりなんといってもおもしろいのは「どう考えてもこれは製作中止にするしかないでしょ!?」と悲鳴を上げたくなるようなヘヴィな現実と戦い、次々と難関を突破していく映画プロデューサー、アルバート・ラディの奮闘ぶり。

ラディ役のマイルズ・テラーが魅力的な俳優さんのせいもあり、気がつけば体調が万全ではないにもかかわらず、時の経つのも忘れて物語と並走しはじめている自分がいた。(マフィアの顔役を演じるジョヴァンニ・リビシもメチャメチャいい!)

ドラマをいろどる60年代、70年代ロックの名曲の数々も感涙ものだ。

第一話のラスト、ラディとその女性秘書が乗る車の中で小さく流れていた歌がある。

ところがその歌は、彼らに警告を与えようとしたマフィアの使いによって発砲された銃弾で、車の後部ガラスが粉々になるとともに突如大音量になる。

クリームの「White Room」。

あまりのかっこよさに鳥肌が立ちました。

物語には、いよいよマーロン・ブランドも登場。

ただ、親玉プロデューサーのエヴァンスは、ドン・コルレオーネ役のマーロン・ブランドも、マイケル役のアル・パチーノもまったく評価していなかったのですね。

はたして主人公ラディは、どうやって上司にブランドやアル・パチーノを認めさせていくのか。

つづきが楽しみです。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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