鑑定やら「幽木算命塾」の月次作業やらが、ようやく一段落。
時間ができたので箱根に行こうと思い立ち、早起きして出発。
ふたつの美術館をのんびりと回る。
まずは、大好きな「ポーラ美術館」。
現在こちらでは「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」という展覧会が開催されている(11月30日まで)。

ゴッホの「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」(撮影可能な作品とNGな作品があり、この作品は撮影可能だった。以下同)。
サイズはさほど大きいわけではないが、川や空のブルーが美しい。
自分はブルー(青)が好きなのだと、つくづく思う。

背景のブルーも美しい「ひまわり」。
ちなみに「ひまわり」が有名なゴッホだが、短い生涯の間(しかも画家としての人生はわずかに10年)でものした「ひまわり」の絵は17点。
33歳から35歳の3年の間しか描いていない。
ちなみにひまわりは西洋絵画の図像表現においては「信仰心」の象徴なのだとか。
神父をめざすも挫折し、画家として生きていく道を選んだゴッホは「ひまわり」の向こうに何を見ていたのだろう。
興味深い展覧会だったし、私はポーラ美術館というミュージアム自体が好きなのでいいが、ゴッホ、ゴッホとゴッホの作品だけを期待していくと拍子抜けするかも。
展覧会がめざすものは、ゴッホをある種の「神」と見立て、その後の美術界(特に日本画壇)が受けた影響の甚大さ、曼荼羅のように広がるゴッホワールドを、さまざまな美術家のゴッホ愛溢れる作品の数々を通じて可視化しようとする試みだ。
そうそう。ブルーと言えば、

桑久保徹画伯の「フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ」もファンタジックで美しかった。
そして――

同じく「ひまわり」の絵だが、見れば分かるとおりゴッホではない。
こちらは日本画専門美術館「成川美術館」で、現在企画展が行われている高崎昇平画伯の作品。
この人の風景画、とにかく美しい。

つい立ち止まり、食い入るように見てしまうこと間違いなしである。

どんな絵もそうだが、小さな画像ではとてもその絵が放つ気魂のようなものは伝えられない。
美しさも全然伝わらない。
興味のある方は、ぜひ「成川美術館」へ。
会期は7月16日まで。
元箱根の観光船乗り場(箱根海賊船)の真ん前なので、分かりやすいといえば分かりやすいロケーション。
ミュージアムショップで堀文子さんの図録を買い(高崎さん関連の図録は残念ながらなし)、箱根をあとにしたこの日の結城であった。