Kさんの宿命を見る。
本命宿は「壁宿」。

悪い宿ではない。
安重宿だ。
しかし師匠の伝によれば壁宿は、立派な人に見えるけれど、隠れて行うことと外面のギャップが大きい、とも出る。
つまり、外面のいい人。
しかも「夫妻位」が建門ということは「命位」破門の宿命だ。

第一印象は決して悪くない。
だが、他人を使うことには向かない。
常識的な社会では生きにくい定めで、自分の欲望に忠実すぎると、失敗、転落に向かいやすい。
波瀾万丈の人生になりやすい。
ではどうすればよいのか。
運気改善の秘訣は、「俺様」的気質を極力抑え、世のため人のため、誰かのために身を粉にしようと奮闘する生きかたを心がけること。
奇しくもこれは、算命学的知見とも合致する。
Kさんの命式を見ると、「調候の第一守護神」(人生を生きやすくしてくれる、天からの教え)は「壬」=「(Kさんの宿命においては)車騎星」。
つまり「世のため人のために奉仕せよ」。
丙 壬 甲
午 申 寅
壬 = 車騎星
この生きかたを大事にし、「そう生きよう」とそちらに向かって歩を進めていかない限り、人生はなかなか好転しない。
密教占星術に話を戻すと、Kさんの救いは命宿建門の宿命でもあることだが、
いずれにしても精神性の向上を求め、自ら修行しようとしないのであれば、どんな幸運が一時的にやってこようと、すべては砂上の楼閣となる。
――星の配置を見る限り、「密教占星術」ではそんなことが読みとれるように思うがどうだろう。