マイ仏教美術①

もう10年以上も前のことになる。

ある時私は、いきなり仏像にめざめた。

自分は何をしているのだろうと不思議だった。

だって、そんな人間ではなかったから。

家族の生活は私の双肩にかかっており、お金になることにしか興味がなかった。

死に物狂いで働いた。

そんな自分が、ある日唐突に、お金になんてまったくならない仏像に魅了された。

憑かれたように、仏像との出合いを求めて方々に旅をした。

足が悪いし面倒くさがりで、基本的に家にいるのが大好きな人間のはずなのに。

ウィークリーマンションを借りて京都に滞在した。

京都や奈良の古仏はもちろんのこと、滋賀や若狭の古寺にまで足を伸ばした。

原稿の仕事を抱えながら、国宝級古仏は言うに及ばず、ほんとうにさまざまな仏像と出合った。

人と、出逢った。

自分はいったい何をしているのだろうと、ずっと思いながら。

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この記事を書いた人

占術家、算命学ナビゲーター、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
オンラインスクール「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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