美仏と御朱印(6)東京国立博物館『奈良大和四寺のみほとけ』展に行ってきました

狂ったように仏像にのめり込み、それこそ片っ端から、という勢いで西国を中心に仏像巡りをしていたのは、今から5年ほど前でした。

縁あって、たびたび京都でウィークリーマンション暮らしをする生活になったため、京都はもちろん、奈良や福井、びわ湖の回りの仏さまなどを、あれこれと貪るように見て回り、両手を合わせて祈りを捧げ続けました。

言うまでもなく、日本で仏像の名所といえば、やはりまずは奈良です。

奈良にはたくさんの名仏が、関東圏で暮らす者にはため息をつきたくなる贅沢さで、いにしえより伝えられています。仏像好きが高じ、一時は本当に奈良への移住すら考えたものでした。

女人高野として知られる室生寺は、奈良県宇陀市にある古寺で、このお寺にもたくさんの素敵な仏さまがいらっしゃいます。

今回、そんな室生寺からも私の大好きな仏様がいらっしゃっていると聞き、ウキウキと胸を弾ませて、東京国立博物館の『奈良大和四寺のみほとけ』展を見に行ってきました。

展覧会の初日は今月18日。私は初日に、いそいそとトーハクまで出かけました。今回の展覧会は、本館で行われています。

この間まで行われていた「東寺」展に比べると展覧会の規模は小さく、私が行ったときは、初日でしたが、お客さんの数は、さほどでもありませんでした。

私が再会したかったのは、今回の展覧会のメインの仏さまとも言える室生寺の十一面観音様。上の写真の観音様がそうなのですが、展覧会場ではその最奥部にひときわ目立つ形で展示されていました。

しつこいようですが、こちらの仏さまです(パンフレット、買ってしまいました (*^_^*))。

室生寺境内金堂内に釈迦如来、薬師如来、十二神将などとともにいらっしゃる観音様で、どこか少女のような佇まい、公家風の上品で慈愛に満ちた目元やふくよかなお顔、セクシーな唇など、一度見たら忘れられない独特の魅力を持っています。

4年ぶりの再会、ということになるのでしょうか。

2015年7月終わりのとても暑い日、汗だくになりながら訪れた室生寺で、初めてお目にかかったときの感動が鮮明に蘇りました。

私、十一面観音様ってとっても好きなんですよね。

向源寺(滋賀)の十一面観音、聖林寺(奈良)の十一面観音(いずれも国宝。あ、室生寺の十一面観音様も国宝です。ちなみに現在日本には7躯の国宝十一面観音様がいらっしゃいます)、石道寺(滋賀)、医王寺(滋賀)、羽賀寺(福井)など、西国には素敵な十一面観音様がいっぱいいらっしゃるのですが、実はこちら室生寺の十一面観音様も個人的に大好きで、お慕いしている観音様の最右翼の一躯です。

イスムさんあたりで作ってくれたら、速攻で買うこと間違いナシですね(ただし「TanaCOCORO」なら、ですけど。笑)。

室生寺はそう簡単には再訪できないだろうと思っていたので、今回思いがけず十一面観音様にお目にかかれたことは願ってもない僥倖でした。東京はこういうときに、ほんと、ありがたいです(ちなみに室生寺からは弥勒堂の釈迦如来様や金堂の地蔵菩薩様もいらっしゃっています)。

「奈良大和四寺のみほとけ」展では、長谷寺、岡寺、安倍文珠院、室生寺の四か寺から国宝4件、重要文化財9件を含む16件が出展。仏像好きには願ってもない展覧会となっています。

期間は9月23日までだそうです。

私もまた、ふらりと足を運んでしまうかも知れません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
通信制私塾「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

目次