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『あなたが眠っている間に』ですっかりイ・ジョンソクと脚本家のパク・ヘリョンさんのファンになった私は、いろいろと調べた末、次は主演イ・ジョンソク、脚本パク・ヘリョンさんコンビの初顔合わせ作品となった記念碑的ドラマ『君の声が聞こえる』（2013年）を見ることに決めました。
※上の画像は、NHKエンタープライズ「コンパクトセレクション 君の声が聞こえる DVD BOX1」のパッケージ画像です。Amazonの販売サイトはこちらです。
※以下、ネタバレ的な話題が出て来ます。2013年作品と幾分古い作品ですが、これからご覧になろうとしているかたはご注意願います。
物語は超簡単に言うと、年端もいかない少年時代に、不幸な事件がきっかけである女子高生の少女と運命の出会いを果たしたイ・ジョンソク（役名パク・スハ）が、国選弁護士になったかつての少女を、彼女に恨みを持つ悪魔のような殺人鬼から身を挺して守ろうと彼女の前に再び現れ、必死に守ろうと奮闘するサスペンスドラマ、ということになるでしょうか。
なんかこう書くと、たいして面白そうじゃないかな……うーむ（笑）。
でも、全18話を完走した結論から言うと、このドラマ、メチャメチャ面白かったです。
ドラマを牽引する最大の魅力は、主役のイ・ジョンソクのフレッシュな存在感に尽きるでしょうか。
イ・ジョンソク、この作品では少年時代に淡い思いを抱いた運命の女性、チャン・ヘソン（イ・ボヨンが演じます）を守ろうとする健気で一途な高校生パク・スハを演じるのですが、このスハが異常にいいのです！
久しぶりに再会したかつての美少女ヘソンは、何やら気難しく、可愛げもやる気もないような変わり者の弁護士になっていて、そんな彼女に最初はがっくりと幻滅するのですが（言ってみれば『ちっともおごってくれない、綺麗だけどポンコツなお姉さん』という感じでしょうか）、それでも彼だけにしかない特殊な能力（人の心が読めるのです。『あなたが眠っている間に』は予知夢を見ることのできる人々の物語でしたが、本作はこのパク・スハの人の心を読める能力が物語を引っ張っていきます）も駆使して、彼はヘソンの守護神のような存在になっていきます。
ここら辺のスハの一途さ、可愛らしさは、女性ファンにはたまらないのではないでしょうか。
「私もこんな風にスハに守ってもらいたい！」とうっとりと鼻の下を伸ばしてもカレシや旦那さんは文句が言えないぐらい、イ・ジョンソク演じるパク・スハは、孤独でミステリアスながらもキラキラとした魅力のオーラを全開にして、私たち視聴者を魅了します。
そんなスハ（イ・ジョンソク）とヘソン（イ・ボヨン）にじわじわと近づいてくるのが、悪魔のような殺人鬼ミン・ジュングク（チョン・ウンイン）です。
はっきり言ってしまうと、このドラマは血の繋がらない姉弟のようなヘソン＆スハと、二人に恨みを持つ血も涙もない殺人鬼ミン・ジュングクのぶつかりあいのドラマなのです。
私たち視聴者は全18話の長い映画のような物語を通じて、この三人の相克と葛藤を追うことになります。
もちろん法廷ドラマでもあるので、さまざまな事件がこのメインの物語の合間にいろいろと入っては来るのですが（ここらへんは『あなたが眠っている間に』と同じ構造ですね）。
未見のかたは、騙されたと思ってご覧になることをオススメします。
私は全18話、かなりどっぷりとはまり込んで見てしまい、最後の6話は、結局仕事も手に着かずに一気に見る羽目になりました（ご承知の通り、もういい歳のオッサン鑑定士なんですけどね……笑）。
演出的にはちょっと古くささを感じさせる画面作りであり、物語の内容的にも「記憶喪失」や「出生の秘密」が出てくる THE韓国ドラマ ではあるのですが、まあ、それも含めて一見の価値は確実にあります。
脇役陣も、回を重ねれば重ねるほどに味わい深いキャラに成長していき、見れば見るほどドラマの世界から離れがたくなる、そんな素敵なドラマでした！
