ごくごく個人的なものですが、ひとつの記念日ではあります。
記念になにかとなったとき、最初に思い浮かぶのは、やはり私には仏像です。
ということで、今回はイスムのTanaCocoroシリーズの新作、吉祥天様をお祀りすることにしました。
注文した翌日には届くといううれしさ。
販売元のロジスティックセンターが同じ埼玉県内だということもありますが。
いつものように、ドキドキと胸躍らせて箱をあければ……
あなうれし。笑
美しい吉祥天様が、ついに姿を現されました。
今年7月27日に発売になったばかりの、第一回生産分限定200体のうちの一躰。
細密現存仕様と、復元極彩色仕様(こちらは限定100体)の二種類が発売されたのですが、すでに復元極彩色仕様のほうは完売になっていました。
でもよいのです。
私がお招きしたいのは、細密現存仕様でいらっしゃるこちらの吉祥天様でしたので。
私が自宅に仏様をお迎えするときのルールは、一度でも直接お目にかかっていることなのですが、こちらの吉祥天様も、今から数年前、頻繁に京都や奈良、滋賀などに滞在してあちこちのお寺を訪れたときに、ご挨拶をしました。
いらっしゃるのは京都の浄瑠璃寺。
私が訪れたのは、秘仏でいらっしゃる本堂の吉祥天様、同じく秘仏の潅頂堂の大日如来様、三重塔の薬師如来様がすべて御開帳となる、新年早々の特別な一日。
境内には可愛い黒猫がいて、なぜだか私たちにとてもなつき、どこにいても、見かければ猫まっしぐらという感じで駆けよってきては甘えてくれました。
ほかにもそれなりに参拝客はいたのですけどね。不思議な体験でした。
ちょうど庭園が改装中で池の水が抜かれていて、それだけは残念だったのですが、夢にまで見た秘仏の仏様たちにお目にかかれたことは、やはり僥倖でした。
とりわけ、吉祥天様にご挨拶できた喜びは、今でもよく覚えています。
そんな個人的な思いもあり、今回私は、吉祥天様をお招きすることを決めたのでした。
それにしても、よくできています。
宝冠や瓔珞などの豪華絢爛な装飾品も精緻をきわめ、神々しいお顔の再現ぶりもすばらしい。
吉祥天様は美と幸運、財宝などを授けてくださる福徳の女神様。
もともとインド神話の神様でしたが、仏教にとりいれられ、毘沙門天様のお妃様になられました。
つまり私、奇しくも今年はご夫妻でお招きしたわけですね。
そういうつもりはまったくなかったのですが、これもなにかのお導きでしょうか。
私の場合、イスムの仏像は単なる美術品ではないのですが、美術品としてとらえても、これはなかなかうれしいクオリティです。
それにしても、吉祥天様のご尊顔を拝見していると、やはり思うのです。
また、浄瑠璃寺や岩船寺、禅定寺や蟹満寺など、南山城のすばらしい古刹をめぐって歩き、仏様たちとゆっくりとお話がしたいと。
そんな日常は、いつ帰ってくるのかな。
体が頑健なほうではないため、どこにも出られず、なにもできず、ただただ時間ばかりが過ぎていきます。
各方面にご迷惑をおかけせざるを得ないような、信じられない忙しさとともに。
いずれにしましても、吉祥天様、なにとぞ、なにとぞ。
このブログを書いているのは――
●結城武彦/幽木武彦 Takehiko Yuuki
占術家、怪異蒐集家。
算命学、九星気学などを使い、広大なネットのあちこちに占い師として出没。朝から夜中まで占い漬けになりつつ、お客様など、怖い話と縁が深そうな語り部を発掘しては奇妙な怪談に耳を傾ける日々。
2021年4月28日、実話怪談集第二弾『怪談天中殺 占い師の怖い話』発売。7月29日発売『黄泉つなぎ百物語』にも短編「紫にまぎれる」で参戦!
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